こんにちは。NISHIYAMAです。
『あなぐら・ハウス』の完成からずいぶんと時が過ぎました。
実は、完成と同時に購入のご契約を頂きすでに入居を頂いてます。
遅ればせながら完成までのご紹介をさせて頂きます。
まずは、解体から
前回ご紹介しましたように、今回の物件は給水管が埋め込まれていますので施工のクラフトさんとも相談し、壁・天井を通し新しい給水管を敷設しました。。。
とても面倒な工事かと思いますが、現場の皆様の技術と良いものをつくろうという気持ちに感謝です!!
着工前の入念な打合せをもとに現場が進んでいきます。
その前に・・・ちょっと寄り道・・・着工前の打合せ風景です。
また、今回のプランにまとまるまでには他にいくつかのプランもお考えいただいたのだとか。
研究室に実物大のモックを作って検討いただいたり、模型を作って頂いたり、またきれいにファイルにまとめてあり、ひとつひとつをとても丁寧に大切に取り組んで頂きありがとうございます。。
また次回、その他のプランもぜひ実現したい!! と欲張って考えてしましました。。
【施工中】
リビング部分の梁にシナベニアが斜めに貼られています。
仕上がったらどんな風になるんだろ・・・??
又、斜めに貼る事で生まれた空間を利用して、エアコンの配管を事前に行いました。
リビングや玄関などほぼ完成に近づいてきました。
玄関のきれいなラベンダー色が印象的です。
リビングの壁・天井はモルタルとシナベニア仕上げ、あなぐら感が増してきました。
いよいよ完成!
完成立会い、照明の調整をして頂きました。
後日、ゼミの皆様も現地に来られ今回のプロジェクトについて安齋先生より講義を頂きました。
安齋先生のコンセプト解説より抜粋・・・
元々が少し複雑な平面形状の区画でかつ外部に面した開口部が比較的少ないという特徴の部屋のデザイン・リノベーションです。改修前に現地調査をした際に、奥まったところはどうしても暗くなってしまうなと思いました。(中略)暗いエリアが生まれるのならばその暗さを楽しめるようなインテリアにしようと考えました。そこでちょっと閉鎖的だけど落ち着く気持ちになれる「あなぐら」というアイデアが生まれました。素材感は主に木でナチュラルな優しい色合いにしています。あなぐららしさを表現するため、床壁天井がなるべく似た印象になり、また木の質感で包み込まれるような気持になる形状をイメージしました。壁面や天井の面のわずかな角度の変化で単調でない空間を作りだしています。床に座って佇むと不思議と落ち着く気がします。(中略)照明デザインでも、これらの空間のコンセプトがより強調され、日が暮れてからも空間の心地よさを楽しめるように考えました。(中略)室内の造形と照明によって、ここでしか感じることのできない豊かな空間と時間体験を楽しむことができる住まいになっていると思います。
それでは、『あなぐら・ハウス』の全貌をご覧ください。。
(みなさん、Before,Afterといえば思い浮かぶあのメロディ♪♪を思い浮かべながらどうぞ~♪)
寝室に続く廊下です。
以前は暗く、奥まった感じでしたがドアをなくしリビングとの素材を変えることでメリハリのある明るい空間となりました。
廊下に続く独立した洋室は、寝室になることも考え壁を吸湿性のある珪藻土にし、居住性を高めました。
あなぐら感・・感じて頂けましたか?
デザインして頂いた建具は、とても美しく閉めた時もまた重なった時も色々な表情を見せてくれます。
透明な引き戸は昼、夜で別の表情をみせ、木製の引き戸は開閉により空間のイメージを変えてくれます。
もちろん部屋を仕切るという役割もしっかりと。
梁が斜めってどんな感じ??と思っていましたが、梁の低さを感じさせず逆に落ち着く空間となりました。
安齋先生のコンセプト解説にあるように「不思議と落ち着く」気がします。
ご入居頂いたご家族からも、「子供がこのお家がとても好きなんです。」とお聞きしとてもうれしくなりました。
まさに、安齋先生の「ここでしか感じることのできない豊かな空間と時間体験を楽しむことができる住まい」
なんですね。
今回の作品は森林公園などもほどちかく、緑豊かな地域に建っています。
まさに自然に包まれた「あなぐら」にぴったりの環境です。
今回のプロジェクトに参加して頂いた皆様、素敵な作品を作って頂いてありがとうございました。
※Special thanks
■九州産業大学 芸術学部 生活環境デザイン学科 安齋研究室
■施 工;有限会社クラフト
■photo;uruphoto