1月30日、東京藝術大学で行われた「国宝『信貴山縁起絵巻』の現状模写事業」の披露会に行ってきました。本事業は東京藝術大学大学院第三研究室が主体となり、2017年度より2028年度まで11年計画で進めていく事業です。
手塚雄二教授の指導で、日本画の次代を担う4名の学生たちが模写に取り組みました。「源氏物語絵巻」から「伴大納言絵巻」そして「信貴山縁起絵巻」と受け継がれていく模写は、今日、日本画の巨匠となられた方々も、学生時代に取り組まれました。模写の作業の説明を受けると、その労苦は私たちの日常とは次元が異なるものでした。この模写事業に当事者として参加することは学生にとって名誉そのものです。
この「信貴山縁起絵巻」が完成すれば、日本の三大絵巻が完結するとの事です。今まで千年程日本の文化として引き継がれてきたこれらの原画は、これからも国宝として厳重に保管され、益々人の目に触れる事は稀有となるでしょう。
そして、現状模写絵巻は新たな原画としての価値を与えられ、千年、あるいは無久に人々に鑑賞され、文化芸術の発信源となり続けると思います。私も針先ほどの一点だけでもいいから模写絵巻に色を落とし込んで、当事者となって千年の幻夢を見てみたい衝動に駆られました。
そして幸運にも披露会ののちに手塚先生の研究室で先生と直に一時間ほど意見交換出来ました。私達OLDGEARが取り組んでいるリノベ建築と、日本画との融合について大いに賛同していただいたことは、私にとって一生忘れられないことであり、またOLDGEAR「Artctuary」の更なる幕開けとなることでしょう。
あまりにも刺激が大きすぎて、まだ頭の整理が出来ていませんので、今後少しずつ報告していきたいと思っています。
現在、OLDGEARが取り組んでいる、芸術美×建築美「Artctuary」を一部紹介します。