5月5日のこどもの日に北九州市立美術館で開催されている横山大観展に行ってきました。混雑を避け午前中に訪れたのですが、既に多くのフアンの方々で混雑していました。
建築の巨匠の磯崎新の設計した美術館はブルースカイと新緑に映え、遠く響灘まで見渡せ気分爽快になりました。
横山大観の大作を、こんなに多く同時に鑑賞出来る機会は滅多に有りませんので、近くから、遠くからと筆のタッチ、色使い、構図まで鑑賞させて頂きました。学芸員の方から怪しい「じいちゃん」とマークされたかもしれません。(笑)
感想を聞かれても、未だにどの作品も深いため息ばかりで形容の言葉が見つかりません。円熟期の作品からは、大観の渾身の筆力と怖い程の気迫を感じました。究極の美に相対するとはこんな感覚を言うのでしょうか。
今回の横山大観の作品は島根県の足立美術館の所蔵の一部とのことです。北九州市門司港レトロに出光美術館が有りますが、両方共に当初は財を成した事業家のコレクションが始まりです。これは日本に限らず、今日の世界中の美術館に共通している事みたいです。
私が思うに、絵画や工芸品はもっと暮らしの中に溶け込み、身近にある事が本来の姿と思いますが、現在は美術館で強化ガラス越しに観ざるを得ないことに作家達は悲しい思いでしょう。多くの美術品が人類の資産と成り得ましたが、投機の対象となっている事は残念なことです。この様な事を言う私もついつい金銭に換算してスタッフから呆れられます。
私達オルドギアは、横山大観の直系の東京藝術大学の日本画研究室の教授のアドバイスを受け、精鋭の若手日本画家とコラボしてリノベ芸術建築作品の創作活動を続けていますが、彼等とは身近に接する事が多くなりましたが、巨匠と気脈を通じる日本画を描く情熱と気迫を感じる素晴らし方々です。日本のなりよりの宝と思います。
コラボで使用している彼等の日本画は日本全国の美術館を一年程かけて巡回展示されて来た由緒ある作品です。私自身が手元にあるのが不思議と思う程の、彼等が何か月もかけて描き上げた渾身の大作日本画であり、春の院展、入選、受賞作品なのです。
絵心のある方であれば入選する事、まして受賞することが如何に厳しいものか御理解して頂けると思います。
私達オルドギアの夢はこの北九州を「美の聖地」とすることです。
強化ガラスなどで保護されていない40号の原画を子供たちは触れ放題!作家が見たら卒倒!親がその時価額を聞いたら続いて卒倒!
冗談半分ですが、こんなことが出来るのは、日本画研究室の教授や画家達に私達オルドギアには、欲心が無い事をご理解し安心してご協力して頂いているからです。
3年、5年、10年と継続出来ればこの北九州のマンションや戸建てからは、所有者が意識せずとも「豊かはここに有る」と発信することになるでしょう。大財閥でなくても、北九州は美術館を越えた世界有数のコレクションエリアとなるかもしれません。フッと気づけばそこは美に包まれた「世界にひとつ」のリノベ芸術建築作品の住居空間エリア。そこで育まれた子供達のみずみずしい感性は未来への切符です。