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中古不動産【by:一美】

2024.02.06

不動産再生事業を始めて45年、リノベーション事業を本格化して10年、OLDGEARを立ち上げて8年。
ここ数年、お客様からの反響が変わりつつあります。特にここ1年は目覚ましく変化しているように思います。

中古不動産と聞くと「新築を買えない人たちが買うもの」と新築至上主義的な要素を少なからず孕んでいる風潮がありました。しかし最近は、中古は新築のアンチテーゼではなくなってきています。

「どう暮らしていきたいか」という問答を繰り返すうちに、既成概念ではなく、「私は」というアイデンティティーが占める割合がとても高くなってきている気がします。雨のごとく降り注ぐ情報の中で、耳障りの良いネット情報だけを鵜呑みにする方は正直いらっしゃいません。きちんと整理された情報をテーブルに並べ、そのテーブルの上には、新築や中古、そしてリノベーションが平等に並べらるまでになりました。そしてもっと深いところをいうと、この選択はご自身の「生き方に素直であるか」「これからも心地よいか」といったところまで見え隠れしている気がします。

私たちオルドギアは、不動産再生事業のプロフェッショナルです。私たちが完成形のリノベーションとして販売している建築作品は、厳しい鑑識眼を通過したものでなければなりません。それが私たちの自信であり、責任であるからです。

個人と個人の取引であれば、お互いが良しと思うものであれば構いません。むしろ個人がその価値を創造する楽しみは測りしれません。しかし、私たち再生事業のプロが費用をかけてリノベーションで付加価値を創造する不動産は、手堅い資産性が根底を占めます。そして、その上にどれだけの価値を創造できるかです。

先日、内覧会にご来場いただいたお客様がこんなことを仰っていました。「家探しをしていると、新築より中古の方が場所や条件が良いものが多い気がします」と。利便性や生活環境が良好の場所はすでにマンションや住宅が立ち並び、時間が街や環境を育ててくれています。これには変えられない安心感があります。このような人気立地はもちろんデペロッパーは欲しいわけですから、少々のことは飲んでも手に入れたいはずです。でも中々まとまったものはありません。新しい場所に、新たな価値をつけていくには、大規模なまちづくりを想定していかなければならず、やはり時間と費用が必要です。

そんなことを考えると、中古市場の時間が作り上げた魅力に気づき始めます。そこに、リノベーションという新たな価値を掛け算した時に、暮らしのギアはもう一段階上がります。私は、日本の中古市場はまだまだ未熟と考えています。だからこそ伸びしろがあって、古い、新しいという言葉だけでは語ることのできない楽しみやゆとりがあると信じています。

だからこそ、お客さまの変化がモノの時代から、中身の時代へ、つまり精神的な豊かさを求める時代を反映しているように感じてなりません。

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