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声【by:一美】

2023.10.12

私たちは、創業からずっと「声」を聞くことのできる場所を大切にしています。

先日、日経新聞の一面に「修繕積立金上げ幅抑制 マンション計画的徴収促す」という記事がありました。簡単に説明すると、修繕積立金が大幅に引き上げられることで、組合員の反対や滞納が多くなり、修繕計画が遅延される事態が発生しているため、国のガイドラインに負担金の目安を盛り込む改正を行い、引き上げ幅に一定の制限をかけるとの内容です。

新築時に修繕金を低く抑えることで購買意欲を促すことができるので、均等積立(値上げせず一定)ではなく、段階増額積立(初めは安く、段階式に増額)を採用する分譲マンションが多いようです。今でこそ、新築時の修繕積立金が3,000円なんてものはないでしょうが、過去には新築時の修繕積立金額から10倍にも引き上げられた例もあるようです。

私たちがリノベーションの付加価値を与える建築作品は、必ず管理状態や修繕積立金の積立金額や修繕計画を事前に確認します。修繕計画や修繕金の値上げ計画が決議されている場合、私たち業者は説明義務があります。

そして、中古マンションの場合、共用部を実際に訪れれば、今までどのように管理されてきたか、また、履歴資料によって組合の資産意識を拝見することができます。

正常な組合であれば、共用部はきちんと管理され、細やかな記録が残っています。中古の良さは、これが長きに渡り、きちんと見えてくることにもあると私は思っています。

先日、お取引した売買でのこと。

盛夏、はじめてそのマンションを訪れたとき、私は共用部に続くアプローチが素敵で、思わず設置されていたベンチに腰をかけました。

段々になった花壇には季節の花々が植えられ、愛情深く丁寧に手入れされていました。決して派手ではないけど、一目で大切にされていることが分かり、気持ちのいいマンションだなぁ、という印象を持ちました。共用部には、小さな書庫があったり、地域の景色を刻んだ陶版のアートがあったりと、温もりのあるマンションでした。

その後、売主様とお話しする機会があり、私が、その花壇アプローチに魅了された話しをすると、なんとその売主様ご夫妻が30年前に発起人となって、マンション組合に「園芸部会」を立ち上げたという、これまた大変素敵なお話を伺うことができました。

過去には北九州が主催する花のコンクールで受賞したこともあるそうで、30年間、組合の園芸部会がその花壇を守っているとのことでした。

驚きと共に、思わず熱を込めて話した私に、「手を挙げるのは思いつきで簡単なんです。だけど、それを継続するには組合の皆様の力があってこそですよね。だから私は幸せ者です。」と、にっこり微笑むご婦人がとてもキュートで魅力的でした。

花というきっかけが、人を繋ぎ、魅力を、暮らしの文化をつくり、資産を維持し、防犯にもつながっていること。そして、住人や訪れた誰かの心に小さな幸せを添えること。こんな素敵なことを30年も!そして、きっとこれから先も、この文化は守られ、それを守っていこうとする素敵な方々が住まい続けるのだなと思いました。

初冬、本マンションの一邸がオルドギアのリノベーションとなって生まれ変わります。本マンションが紡いできた歴史を、大切な我が家を、私はプライドを持って次の世代へ繋ぎます。

机上だけでは分かり得ない、実際の声を聞いているからこそ、未来へ続く資産価値を、自信を持ってご提供いたします。

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