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画壇の偉才集結!!【by:SUGI】

2021.10.12

こんにちは。杉です。

爽やかな秋晴れの中、約1年8か月ぶりのTOKYO出張に行ってきました。

自家用車で30分かからず自宅⇔北九州空港往復できる利便性の良さから、今回も日帰りでいつもコラボレーションさせて頂いている東京藝術大学へ。

いつも羽田空港から浅草駅経由で向かうのですが雷門界隈も人力車が出ていて、人出が少しずつ戻っている様子。

往復利用したスターフライヤーも減便している中ですが、ほぼ満席でしたので少しずつ日常が戻っていけば嬉しい限りです。

さて訪問の目的は、弊社が2017年からクラウドファンディングプロジェクトに賛同している日本三大絵巻の1つ、

国宝「信貴山縁起絵巻」の現状模写事業のうち1巻目の山崎長者巻が完成したとの便りが届き展覧会に参加するためです。

教科書にも載る国宝を模写するという日本国内でも限られた人にしか出来ないプロジェクト。

その数、1年間でたったの4人。

偉才が集まる東京藝術大学の中でも日本画第三研究室大学院修了生の選抜4名しか携われないことを再認識し、常日頃気軽にやり取りさせて頂いているアーティスト皆さんのお顔が急にフラッシュバックしなんとも恐縮しながら模写を眺めました。

国宝の源氏物語絵巻や伴大納言絵巻をこれまでにも先輩方が模写してきて、ご本人たちも当たり前に信貴山縁起絵巻を模写しているのかもしれませんが、生国宝を目の前にし同じ空間で作業するだけでもすごい事です。

12世紀の巻物を現状模写することでこれまで原画では出来なかった海外展示や国内での代替展示が可能になるという日本画界の歴史を紡いでいくまさにビッグプロジェクトです。

作品の説明と同時に模写している方のお名前がそれぞれ12場面載っているのですが、

神谷渡海 筆、

諸橋花野 筆、

杉本純久 筆、

中西智美 筆、

佐藤佑 筆、

菊地貴子 筆、

佐久間仁 筆、

齋藤愛未 筆、

築井渚 筆、

島田滋 筆、

田尻周也 筆、

中野貴文 筆、

 

・・・・・おいおい。

これまでに我々のリノベーションや新築戸建でコラボレーションさせて頂いたアーティストの皆さまばかりではありませんか。

横で見ていた弊社代表の古野が名前を見る度に「あらっ!」とか「あぁーっ!」とか

静寂の展覧会場に声が漏れまくっていましたが(笑)、それだけ当事者の我々もびっくり。

 

これまでにコラボレーションさせて頂いた皆さまが、日本画界を背負って立っていく画壇の偉才たちだったと再認識し、この場をお借りして快くコラボレーションさせて頂いたみなさまに改めて御礼申し上げます。そして会場で直々に解説してくださった高島先生、山田さん、岩谷さんなど第三研究室の皆さま本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いいたします。

特に凄いのは経年劣化した和紙のシワや破れ、日焼けなど原画のダメージ感を寸分違わぬものとして模写している点。

イタチの毛を極細に削って点で描いていく模写作業は一日作業して500円玉ほどしか進まないとのことで、改めて私のようなど素人には理解できない精神力、技術力、才能の賜物だと思います。

過去に取組んだ模写事業の源氏物語絵巻と伴大納言絵巻の一部も特別展示されていたのですが・・・

唄が描いてあるその和紙には金箔や銀箔のようなものが散りばめられているのですが、これも金泥や銀泥で点描で再現しているとのこと。

完成当時はさぞ煌びやかで色味も原色がド派手に出ていたに違いありません。

当時の「現代アート」だったのだと思います。

特にこの伴大納言絵巻のシワ感はピカイチでシワを筆で線として描くと偽物になってしまうので

シワ部分は和紙そのままとして残し、シワ部分を避けてそれ以外の場所を描いていくというこれもまた気の遠くなる作業で完成した一品とのこと。

朱や墨、和紙は900年経ってもきちんと残るんだなぁと、現代のインクジェットとは違う当時の技法、材料に感心。

使われた鉱物や岩絵具、膠なども展示されていました。

さらに!

こちらもここ直近でコラボレーションさせて頂いた𠮷田侑加先生が模写事業で使用していた現物展示と制作過程動画も!!

原画の残像で点描していく匠の技に、ただただ口をあんぐり開けて見入ってしまいました。

我々の微力ながらの賛同が未来の巨匠たちの励みになれば、そして我々建築作品とのコラボレーションを通して日本画や芸術がスポットを浴びる機会が創出出来ればと、展覧会参加を通して自分たちの立ち位置を再認識し改めて身の引き締まる思いになりました。

(わざわざ掲載いただきありがとうございます。この場をお借りし改めて御礼申し上げます。)

展示会は15(金)まで東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学 陳列館にて開催されていますのでお時間のある方は是非足を運んでみてください。

そして間近で紡がれていく想いを感じ取って頂ければと思います。

空港の手荷物検査でブーツは脱がされるわ、カモフラージュ柄で茂みに座った私は守衛さんが目を光らせるわと、怪しい私ですが今後も東京藝術大学に通い続けOLDGEARとのコラボ企画を継続していきたいと思います。

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