Property Details
Order-Renovation | T様邸 |
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所在地 | 福岡県福岡市中央区マンション |
家族構成 | 夫婦+うさぎ(予定) |
間取 | 4LDK→1LDK+アトリエ+WIC |
専有面積 | (壁芯)106.96㎡ |
築年月 | 平成12年12月 |
構造 | RC造 |
設計期間 | 2022年12月~2023年2月 |
施工期間 | 2023年2月~6月 |
リノベーション費用 | 非公開 |
Message from the creators
(諸条件について)
東面と南面に大きく窓の開口のある区画で、高台の上の8階にあるここからの景色は市の街並みと山々と緑が大きく見渡せることが最大の魅力です。
季節によって、時間帯によって日射の入り方が異なり、それぞれの季節、時間で光の様相を感じ楽しむことができます。
この家において窓をどのように扱うかは重要と考えました。
最上階であり外気に接している壁面と天井面は広く、それは夏の暑さ、冬の寒さという室内の温熱環境に大きく影響を与えます。ここでの今後長い生活を考えて、断熱には注意を払って計画しました。外気に接する壁面及び天井面の室内側には全て乾式の高性能の断熱材を敷設し、全ての窓には高性能の「内窓」を設置しました。さらにほぼ全ての窓にハニカムブラインドを取り付けました。これらによって直射日光や外気温による室内への影響はかなり軽減されています。
(デザインについて)
室内区画は整った正方形に近い形状で、窓も多く通風採光の条件は良いです。室内のあちこちで心地よく居ることのできる場所をイメージして平面計画を検討しました。モノたちの多くは広く確保したクローゼットルームや収納棚に納め、それ以外のモノと人との場所をなるべく広く用意しました。
空間の連続性を重視し、各部屋との仕りはほとんど引き戸としています。それらにもガラス引き戸とソリッドなものとを使い分け、隣り合ったエリアとの関係性を考慮しながらデザインしています。
窓については断熱という性能面での計画だけでは視覚的なコントロールは不十分であると考えました。そこで東側の横長の出窓は、壁面の窪みのような印象になるように壁のボード厚1枚分で枠なしの四角い穴が切り取られたようにデザインしました。バルコニー側の掃き出し窓はグレーに塗装したフレームを室内側にやや大きく出っ張らせて反射光を受ける側面を広くしました。これらによって窓はわずかながら抽象性を獲得しています。
壁面や建具などのいくつかの色彩、天井や床の仕上げのバリエーションは都市空間体験の反映であり、家の中での日々の移動に伴って感じることのできる変化は記憶を通じて外の世界へとつながることでしょう。
これらの引き戸や開口部や壁面は、生活のシーンでの背景であるとともに光や色彩や造形としての印象を生み出す仕掛けでもあります。白い壁面にはコレクションされてきた絵画や写真などが飾られ、それらも建具や照明や家具などとともに部屋の一員として存在感を持つこととなります。ここで生活する主体である人にとって、目にするもの手に触れるものは全てが自分の生活における背景でもあり仲間でもあります。室内空間を構成する全てのエレメント、物質、色彩、風景、書物、光などが視線と触覚と記憶を介した対話の相手となることでしょう。それらはモノや現象ですが、それらによって物語が紡ぎ出されていくでしょう。図面上での物語、創作された家具、自ら塗装した壁面、様々なアーティストとの対話、イメージされた光、それらに伴う匂いや疲労。空想と記憶と物質と身体と。この部屋は対話のための場所であり、物語は継続していくことでしょう。
After Renovation
間取変更・間取り変更に伴う給排水管部分更新及び圧力検査・外壁/天井面既存吹付断熱+新規断熱材施工(フェノバボード45mm)・全窓高断熱内窓(lixil インプラスLow-Eクリア)・無垢床(アカシア)・オーダーデザイン建具・オーダーミラー壁・システムキッチン(人工大理石トップ・浄水器)・ユニットバス(1418・高断熱浴槽、調光LED照明)・トイレ(ピュアレストMR手洗い付き)・オーダー造作洗面カウンター(人工大理石)・オーダー造作洗面室収納・オーダーキッチン腰造作棚・オーダー造作カップボード・オーダー造作靴棚・オーダー造作ニッチ棚・調光照明用造作天井など