本物件の既存LDKはゾーニングがされていないことに加え、窓がないということが合わさり十分な広さが感じられず、反対に閉塞感を感じました。また、各部屋を広くする為、浴室や洗面脱衣室が狭くなってしまっている印象を受けました。

リビングの壁面に採用したオリジナルの塗装を施したウッドパネルの壁は、木目の凹凸に白を入れ、その上に黒を重ねることで木目が強調され木の表情を感じられる唯一無二の新たなデザインになりました。制作にあたり何度もサンプルを作成し、色のトーンやコントラストを調整したことでコントラストの黒が加わった時、木目の表情が空間の神秘性を引き立たせ、力強さも同時に表現されました。

また、黒を中心としたモノトーンの中にシナやバーチ、また山桜を織り交ぜることで温かみを加え、ミニマリズムでシャープなデザインを和らげると共に、ユニークな魅力を持つ洗練された住空間をデザインしました。

既存和室を開放し、ダイニングと繋げることで自然光の温かい光が空間全体に拡がり、空間が広くなることを目指しました。また、洗面台をキッチン側に設置することで脱衣室にゆとりができた上に、キッチンに洗面台があると言う空間の異質性を黒でまとめることで統一性を持たせました。