産学連携プロジェクト 第１６弾

西日本工業大学デザイン学部建築学科岡田研究室

社会の規則や固定観念に捕らわれない学生の柔らかなアイデアと
OLDGEARの厳選素材がどんな化学反応を起こすのか。
大学研究室のカリキュラムの1コマとして、現場に触れる機会を設け、
枠を超えた斬新で面白い次世代の発信がここから始まります。

〈メッセージ by 杉佳亮〉

2012年よりはじまった産学連携プロジェクト。今回で第１６弾目のリノベ建築作品です。現調から完成まで約５ヶ月の期間を通して、今回も学び多きプロジェクトとなりました。

「十人十家」というコンセプト通り、住人の暮らし方の好みや家族構成に応じて色んな表情をみせてくれます。玄関から長く伸びた土間は爽やかなミントグリーンの壁と柔らかなベージュカラーの天然木を使用したのオープン収納を設けました。土間の部分には左官職人さんの施工の合間を縫って学生たちが自身の手で等間隔にビー玉を埋め込みました。ほんのり色付くビー玉のニュアンスカラーがなんだか優しい気持ちにさせられます。

リビングに面する２部屋は、開閉可能な障子とし間取を可変できる提案を頂きました。洋室と和室、同色のフロアを使用することで、一見続きのように見えますが、洋室はスリッパ、和室はごろ寝と異なる仕様が楽しめます。障子を全開にすれば、東面の窓からの採光もとれ、LDKで過ごす時間がより開放的となります。洋のデザインの中に、和のデザインを散りばめ上品な空間を目指しました。

また、各部屋のクローゼットは敢えて作らず、部屋からアクセス可能な大容量のファミリークロークを設けました。クローク内の窓側に小さなデスクを造作し、ちょっとした書斎もつけました。早起きした朝、気持ちのいい陽の光を感じながらひと時の読書なんていかがですか。

産学連携プロジェクトは、建築家やデザイナーのたまごたちがいろいろなアイデアを出し合って、議論と再考を繰り返し、かたちになっていきます。学生も教授も、もちろん私たちも良いものをつくり上げようと必死です。だから、熱くなります。熱くなりすぎます。最初はバラバラだった意見もコンセプトが出来上がり、幹から枝が伸び、葉をつけ花を咲かせます。それぞれに選んだ意味があり、お住まいになる方が心地よい暮らしができるようにと思いを込めております。第１６弾もたいへん素晴らしい作品が完成しました。