産学連携プロジェクトIndustry-Academia Collab.

【第21弾 vol.3 】完成そして物語のはじまりへ / 九州産業大学芸術学部生活環境デザイン学科 安齋研究室

2020.04.11

  • 第21弾「FLAT」

こんにちは。杉です。

産学連携リノベーションプロジェクト第21弾の

完成立会風景、こだわり・竣工写真を改めてご報告。   

前回ブログの後、竣工した部屋を大学研究室の皆さんにチェックしてもらい

最終調整やインテリアコーディネートを行いました。

今回の産学連携リノベーションプロジェクトの舞台を

改めて振り返ると、北九州市八幡西区の穴生駅から徒歩4分の

平坦地に所在する大手ディベロッパー分譲のマンション1室。

 

スーパー、ドラッグストア、コンビニ、駅など生活に必要な施設が

徒歩圏内にあり、またマンションとしては珍しいペット飼育可(※管理規約有)で

南東向きの角部屋と魅力条件が揃っています。

 

またマンション全体の大規模修繕工事が行われるという

好タイミングも御膳立てしてくれ、今回のプロジェクトに華を添えました。

 

 

もちろん機能を考慮して刷新された建材や設備機器、

そして大学研究室から生まれた斬新な空間提案・照明計画によって誕生した

創造的でシャープな空間は新築には無いこの室内だけが持つ特別な魅力を備え

リノベーションとしてこれから新たな物語がはじまっていく事となります。

 

毎度の事ながら学問の最高学府である大学研究室が

悩みに悩み、コンペを経て世の中に創造した空間は

「商品」とは呼べない、世界に1邸だけのこの家のためだけの

作り手の想いが詰まった「作品」だと思います。

 

ここで改めてプロジェクト担当の学生代表者本人が

本作品のためだけに創造したPrologueをご紹介。

 

「閑静な住宅街のマンションの一室。

ここに訪れたのは昨年の6月のことです。

既に空き家で、前に住まわれていた方の、住みこなしていた跡を遺していました。

周辺を散策し、初めて訪れるこの街で営まれるそれぞれの生活をまた目の当たりにしました。

またとないはじめての機会に舞い上がっていたものの、

それらを目の当たりにして、落ち着いたように思います。

それから、単純で簡潔でありながら複雑で、スマートであって、強く優しい空間を目指しました。

陽当たりの良い南側の豊かさを、人が集うリビング・ダイニングはもちろん、

インナーテラスを挟んで均等な広さをもつ細長い個室も、享受できる配置としました。

このインナーテラスは、内部空間にありながら外部空間のような性質を持つのです。

その中部屋の個室たちは外に向かうように、南側に開かれていると同時に、

横割りでLDとも連続できるようにしています。四方に繋がりをもち、分割できる構成です。

この個室たち、そして日向のインナーテラスは、多様な暮らし方に対応してくれることでしょう。

 

タイトルの「穴生flat」とは、単純に“穴生の或るマンションの一室”という意味です。

私たちのような駆け出しが提案した作品に、この明快な「穴生flat」というタイトルを与えました。

実施に向けて、度々提提案から引き算の修正をしましたが、それらは当然のことです。

提案の時点で下手に置きにゆかず、あらゆる面で容赦なくアイデアを盛り込むことで、

意欲や姿勢を提示出来たので良かったと思います。

最後に、住居に於いては、住まい手が決まって生活が営まれてこそ、その建築のスタートでしょう。

いつか住まい手が決まり、その方々がこの建築をどう住みこなしてゆくのか、とても楽しみです。」

(プロジェクトメンバー 九州産業大学芸術学部3年 三雲優輝)

 

この作品のためにここまで想いを巡らして現場に臨んでくれたことを

大変嬉しくおもい、自分自身の大学3年時代を思い出すと

顔を隠すことしかできませんが、最後に美しい

Before Afterを紹介して終わりたいと思います。

考え抜かれたこの作品の魅力を是非現地で体感してみてください。

 

(※Special thanks)

■九州産業大学芸術学部生活環境デザイン学科 安齋研究室

■施工:入門硝子有限会社

■photo:uruphoto

  • Facebookでシェア
  • LINEで送る