私はまだ現物を見たことがありませんので、興味深く映像を食い入るように観ました。奉納時の情景はある程度想像していたのですが、放送された「上野の山に龍が舞う 日本画家・手塚雄二 寛永寺巨大天井絵に挑む」では、6×12メートルの迫力ある天井画が、根本中堂と一体となりました。歴史が創られて行く瞬間とはこういう事なのだと、妙に感心してしまいました。この偉業により、手塚画伯には「大絵仏師」の称号が奉呈されました。
私には、手塚画伯が発案から制作、奉納まで5年ほど費やし、精魂を傾けた「叡嶽双龍」について論評出来るほどの才覚はありませんし、言葉も見つけることが出来ません。一般公開されたら、ぜひとも根本中堂を訪れたいと思っています。
手塚画伯は日本画の巨匠であり、その影響力は計り知れないものがあります。私自身、当初はそのことを十分に認識しておらず、初めて東京藝術大学日本画研究室を訪問した初対面の折に、手塚雄二名誉教授、吉村誠司教授を両脇において腕まで回して記念写真を撮るなど、誠に礼を欠く振る舞いをしてしまいました。その後、研究室に在籍されている博士やスタッフ達の、教授達に対する畏敬の念や師弟関係の厳しさを知り、教授達が日本画界においていかなる存在であるのかを、改めて強く認識しました。今となっては、深く恥じ入るばかりです。
また、手塚名誉教授の示唆や吉村教授の一声を契機に、すでに日本画界のエグゼクティブアーティストの道を歩き始めておられる二十名もの画家達が、院展入選という記念すべき40号の原画を、当社オルドギアの「リノベ芸術建築作品」のために、ほとんど無償で提供してくださっています。これほどの一流の日本画が結集できた事は、今でも夢のようです。
当社オルドギアは「美の国ジパング 〜 聖地北九州」を理念として掲げ、マンションや戸建住宅を「リノベ芸術建築作品」として位置づけています。これまでに多くの「リノベ芸術建築作品」を発表してきましたが、東京藝術大学日本画研究室の手塚名誉教授や吉村教授、そして作品を提供していただいている博士や画家の皆様と、当社オルドギアの想いは、多くの点で重なり合っています。これからも提供していただいている日本画は、「世界にひとつのリノベ芸術建築作品」のモチーフとして、大切に使用させていただきます。
最後になりましたが、手塚雄二名誉教授のこのたびの「叡嶽双龍」奉納ならびに「大絵仏師」ご受称、心よりお祝い申し上げます。百年、千年と受け継がれる「日本の美の歴史」が生まれる瞬間が身近に感じられる事に、感謝しております。これからも巨匠達には文化の高みから広くご発信いただき、当社オルドギアは、お客様の日々の暮らしの中から「幸せの青い鳥」が生まれ、育って行く事を願って作品を創り続けていきます。
