これまで不動産の現地調査を47年間続けてきた私が、「これは…!」と心を動かされた物件を、シリーズで3作品ご紹介したいと思います。
今回ご紹介するのは、現在販売中の中でも優良物件の範疇には収まらない、個性的なとっておきの1軒です。私はその稀少性にお客様がどんな関心を示されるのか気になります。たぶん、とてもマニアックなご家族からお問い合わせをいただけるのではないかと思っています。
ーーー 物件概要 ーーー
所在地:福岡市早良区小笠木(郊外エリア)
敷地面積:865.92㎡(約261坪)
建物面積:141.62㎡(約42坪)
築年:平成元年(1989年)10月
建物:平屋の本格木造住宅
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まず、この敷地の広さにご注目ください。
今の福岡市内でこれほど広い敷地は残っていません。もちろん市外であればいくらでもありますが、市内でこの規模の敷地を確保できるというだけで将来の資産価値を担保する事が出来ます。これだけで稀少性は非常に高いと言えます。
仮に今、福岡市内でこの敷地同程度の平屋を建てるには、1.5億~2億はの予算が必要と思われます。パワーカップルならいざ知らず、そもそもこうした土地が売りに出ること自体が稀です。比較として、ここから車で7~8分の場所にある分譲地の新築住宅(敷地約100㎡・建物約100㎡)は、3,500万円~4,500万円で販売されています。こちらを選択される方の価値観も理解できますが、当物件には勝るとも劣らない魅力と稀少性の価値があると思います。
ではなぜこの価格で手に入るのか?実はこの土地が所在するエリアは「市街化調整区域」に指定されているからです。ご存じの方も多いかと思いますが、「市街化調整区域」では基本的に新たに住宅を建築する事はできません。
しかし、ここからが面白いところ!価値の転換マジックです!
既存の平屋が存在していることで、150㎡ほどの住宅再建築が可能なのです。住宅だけでなく福岡市内で8地域だけが指定されている「地域産業振興施設」として立地申請を出して店舗とすることもOKです。逆に現況が店舗の場合、建て替えの際は用途が居宅に限定され住宅は建てられません。今が住宅であることに価値があり、この物件の流通性を担保しています。
大型車両も問題なく進入可能。小・中学校は徒歩圏内で、高校も見えるほどの距離にあり、買い物等も取り立てて不便を感じることはありません。子どもたちが多少騒がしくてもご近所に気を使う必要はなく、のびのびと自由を体感できる自然に囲まれた環境ですが、村中といった感じでもありません。
私はこれまで数千件の現地調査を行ってきましたが、この物件のような「原石」に出会うのは久しぶりです。
家屋は本格木造住宅です。リノベーション工事を行えば、あと50~60年は十分に快適に暮らすことができます。そして何より福岡市内で田舎暮らしの夢が叶う贅沢さ。福岡市の発展とともに、この土地の稀少性は今後さらに高まり、資産価値も増していくとおもいます。