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東京藝大の卒業・修了作品展と信貴山絵巻の現状模写事業訪問の宝物

2024.02.20

1月29日に1泊2日で東京藝術大学の卒業・修了作品展と国宝信貴山縁起絵巻の現状模写事業の解説会にオルドギアスタッフと行ってきました。
現状模写事業は日本画第三研究室の吉村誠司教授が直々に会場で解説されました。この平安時代の絵巻は、当時は色彩も鮮明で多くの貴族たちが心を奪われた事でしょう。しかし原画はすでに約900年の時を刻み、劣化が急速に進みつつ有る様です。
日本の歴史や文化、アイデンティティを考えた時、これから500年、1000年と後世に継承するための大切な取り組みで有ると納得しました。
日々の模写作業はとても地味で精神の集中力と技量が必要だったと思われます。でも担当画家達は一年間の苦労を撥ね退けるだけの名誉を与えられたと思います。将来、この現状模写絵巻は国宝級の取り扱いを受けることになるのでしょう。本人のみならず親類縁者が、時を超えて誇りに思える功績になると思います。

卒業・修了作品展は、私達オルドギアの事業展開に深く関連している、建築、絵画、工芸、を中心に丹念に時間をかけて、時には製作者と問答をしながら見て回りました。
建築の大学院生の数点の作品は、研究者としてスケールの大きな課題に取り組む姿勢と発想が素晴らしく、彼等に次世代の日本を代表する建築家の片鱗を感じました。いつの日か、発想の交差があればコラボしてみたいと思いました。

卒業・修了作品展の日本画については、展示されている多くの作品の中から、「いいね!」と注目した4作品がありました。後で知って驚いたのは、これ等の製作者全員が、今回の信貴山縁起絵巻の現状模写を担当した画家達であった事です。私の審美眼が、いつの間にか、年を重ねるごとに研ぎ澄まされて行った成果だと同行しているスッタフに早速自慢しました。(笑)

現在、オルドギアがコラボさせて頂いている日本画第三研究室の先生方は、大学院生の時、全員が、源氏物語絵巻、伴大納言絵巻、そして信貴山縁起絵巻の現状模写事業に取り組んだ方々ばかりです。私の日本画への造詣が深まるにつれ、その凄さが解りかけてきました。

私達オルドギアはリノベ芸術建築作品のモチーフとして先生方の40号の日本画の大作を使用しています。「美の国ジパング。聖地北九州」と壮大な構想にかかわらず、お気楽に始めた事業でしたが、本格的になるにつれ責任の重さを感じています。

オルドギアを信頼し、思い入れのある日本画を託して頂いている厚意に深く感謝しています。5年、10年、と「おる茶クラブ」そしてファンの方々と共に、夢が実現するまで継続していきたいと思っています。

ところで、そんなことに頓着せず、研究室の先生方と子供2名同伴のスタッフ一同で会食させて頂きました。会話も弾み夢中になってしまって、写真を撮ることも忘れてしまっていました。

先生方3人とのまたと無いないこの一枚のショットは、此れからOLDGEARの「デザイナーMisaki」がスキルアップする為のエネルギーを与え続けてくれる、かけがえのない宝物となる事でしょう。彼女には、先生方の美に向き合う真摯な姿勢と研鑽を学び、自分の才能を信じてアーティストとして大輪の花を咲かせて欲しいと願っています。

それととんでもない物を子供達は頂きました。なんと子供達の差し出した拙い文字で書かれた企画書みたいな紙片に、3人の先生方にそれぞれ即興でイラストとサインをして頂いたのです。落款やサインはとても大切にされる方々です。子供達だから許されたサプライズなのでしょう。
「その紙片!私が欲しい!」と思わず言葉に出そうに成りました。拙い文字の企画書がとても輝いて見えるのは、私だけなのでしょうか。この宝物は、これから子供達の成長に多大な影響を与え続けることに成る事でしょう。大切にして下さいね。

二日間あれば充分と思っていた卒業・修了作品展でしたが、時間が足りませんでた。とても充実した訪問となりました。先生方には貴重な時間を頂き感謝しています。

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